【幸せ老犬生活】健康でいるために食事を見直そう!シニア犬の適したフードとは
老犬の健康維持のためには食生活が重要です。
高齢になると基礎代謝が低下し太りやすくなるため、食事の切り換え、おやつ、食事のチェックポイントを把握しよう。
シニアに合ったフードを選び、良質なたんぱく質を摂取すること。また、肥満にならないようにダイエットを考慮しましょう。
水分補給も大切で、水を飲むポイントを理解し、いつでも飲めるように配慮することが大切です。
健康でいるための食生活を考えよう
健康な体づくりをするうえで、もっとも大切だといっても過言ではないのが食事です。
特に高齢になると基礎代謝が低下して、太りやすくなります。今までと同じ食事をとっていては、体重が増えてしまったり、体調不良に陥る子もいるので、シニア食に切りかえることをおすすめします。
また、食欲は体調のものさし。少食で栄養が足りなければ病気になりやすくなりますし、筋力も落ちてしまいます。なぜ犬が食べないのかを見きわめ、対策を考えましょう。
食欲がないのかどうかを見きわめるためにも、大好きなおやつを2~3種類つくっておくのがおすすめ。いつも大好きなおやつに見向きもしなければ体調が悪い証拠なので、動物病院で診てもらいましょう。
おやつはいつもどおり食べるのであれば、好き嫌いかもしれません。
食事のチェックポイント
- 良質なたんぱく質をきちんととり、脂質は少なめに
- ウンチがやわらかくなってきたなど胃腸が弱ってきたら、シニア用にフードにかえる
- 食べにくそうにしているときは、お皿の位置を高くするなどの工夫をする
- 歯が悪くて食べられないときは、フードをお湯に浸すなどして食べやすくする
- 食欲がないときは、においの強いものをトッピングする
- 肥満は病気のもと!ダイエットを考えてる
- ー日に必要な水分量を把握し、しっかり飲ませる
シニア犬に適した食事とは?
消化・吸収のよいフードを選びましょう
シニアになると消化機能が低下するので、消化・吸収のよいフードを選びましょう。栄養素でいうなら脂質は極力減らし、良質なたんぱく質の摂取を心がけてください。
栄養バランスがよく、カロリーも控えめのシニア用のフードにすると安心です。また、一度にたくさんの量を食べられない犬は、食事の回数を増やすことでフォローします。
フードをお湯でふやかしたり、ウェットフードにするのも、消化・吸収によいでしょう。
とりたい栄養素
良質な「たんぱく質」
筋力キープをはじめ、犬の健康維持に欠かせない動物性たんぱく質をしっかりとる。
「脂質」は控えめに
消化機能が衰えてくるので、脂質は控えめに。肝機能が低下しているときは特に注意を。
「糖質」を補給脳の唯一の栄養源といわれる糖質。特に吸収されやすいブドウ糖がおすすめ。
シニア食に切りかえるタイミングは?
胃腸が弱くなってきたら、シニアフードに
犬が7歳になったらシニア用のフードに切りかえることが推奨されていますが、健康状態に問題がなければ、すぐにかえなくてもかまいません。
定期的に健康診断を行ない、切りかえるタイミングを獣医師に相談するとよいでしょう。また、やわらかめのウンチが続く、ゲップやおならをよくするようになったなど、消化機能が衰えている兆候が見られたら切りかえどきです。
フードをかえるときは、今のフードに少しずつ新しいフードを混ぜてようすを見て、徐々に新しいフードの割合を増やしていきます。
良質なフードの選び方
- 「総合栄養食」と表記されているか?
*総合栄養食とは、犬に必要な栄養素が含まれているバランスフード口材料が明記されているか? - 消費期限が明記されているか?
- 着色料や酸化防止剤などが含まれていないか?
*無添加と書かれていないものは、添加物が入っている可能性が高い - 信頼できるメーカーか?
食べにくそうにしているときは?
食べやすくする工夫をして食欲アップを
食事を与えても、以前のように勢いよく食べなくなった……というときは、食べづらいことが原因かもしれません。
足腰の筋力の低下や首や関節の痛みがあると、頭を下げて食べることがつらくなることもあるのです。なるべく楽な姿勢で食べられるように、工夫してあげましょう。
また、かたいものが食べづらそうなときは、フードをやわらかくしてあげるとよいでしょう。
口が開きづらいときは.
シニアになると口が開きづらくなり、食欲不振になることも。そういうときは、食前に口のマッサージや温湿布をしてあげましょう。
フード皿を高くする
頭を少し下げて届く位置に、フードを置いてあげると食べやすくなります。100円ショップなどで売っているような台で十分です。また、犬の足腰が弱ってきたら、滑りにくいマットをしいてあげると負担が少なくなります。
フードをくだく
フードをくだく歯が悪い犬には、フードプロセッサーなどでフードを細かくくだきます。むせやすいので、水分を少し加えましょう。
おやつもやわらかいものに
歯が悪くなってくると、今まで好んでいたかたいジャーキーなども食べづらくなります。シニアになったら主食のフードだけではなく、おやつも見直しましょう。
フードをふやかす
フードをお湯を入れてふやかすと、やわらかくなって食べやすくなります。においも強くなるので、食欲アップ効果も!
ウェットフードにする
ドライフードを食べなくなったら、やわらかいウェットフードにかえるのも手。総合栄養食のものを選んで。
食欲をアップさせる方法は?
電子レンジで温めて匂いをアップ!
鼻が悪くなると、食欲もなくなってしまうことがあります。そんなときは電子レンジで少し加熱して、においをアップさせるとよいでしょう。また、においの強いものをトッピングするのも手です。
もちろん愛犬が大好きなものをトッピングしてあげても、効果があるでしょう。
おすすめトッピング
食欲がないときは、においの強いものをトッピング!ただし、そのカロリー分のフードは減らしてください。
ヤギミルク
ペット用のヤギミルクは、においも味も好む犬が多いようです。
チーズ
カロリーが高いので少なめに。塩分が多いものは避けて。
肉のゆで汁
脂が少ない、鳥胸肉やささみをゆでた汁を使います。
焼いた肉
大好物のお肉を焼いて加えれば、においもアップします。
納豆類
意外に納豆好きな犬も多いよう。においが気になるなら、ドライタイプを選んで。
ふりかけ
食欲をアップさせる市販のふりかけをかけます。
ここも知りたい!ごはんを手づくりする際に注意することは?
手づくりごはんは栄養バランスが偏りがちなので、犬に必要な栄養についてよく勉強することが大切。
毎日だと大変ですが、時々作ってあげると犬は喜ぶでしょう。たんぱく質をメインに、脂質はなるべく抑えましょう。
犬にあげてはいけないものは?
- 玉ねぎや長ねぎなどのねぎ類
- チョコレート
- コーヒーなどのカフェイン
- ぶどう、レーズン
- エビ、タコ、イカ
- 鳥の骨
- えんどう豆などの、マメ科の野菜
太りすぎの犬はダイエットを
肥満は病気の元凶!
今すぐダイエットを年をとると代謝が悪くなったり、運動量が減ったりして、太るケースも。
放っておけば病気に発展したり、関節が悪くなって歩けなくなる可能性があるので、獣医師に相談してダイエットを始めましょう。まずは適正カロリーを計算し、与えすぎていないか確認を。
フードを与えるときは必ず適正量を計る習慣をつけましょう。もちろん、毎日運動することも大切です。
食事制限のポイント!適正カロリーを計算する
まずは愛犬に必要なカロリーを計算しましょう。ダイエットするときは急激に食事量を減らさず、ようすを見て少しずつ適正カロリーに近づけていきます。
目安としては、1カ月ごとに5%程度ずつカットし、徐々に減らしていきます。
●シニア犬が一日に必要なカロリー
=[適正体重(kg)×30+70]×1.4
*適正体重は犬種によって異なります
肥満体型なのかチェックしましょう
犬の体型を上と横から見てみると、肥満かどうかがわかります。確認してみましょう。
理想体型
体脂肪が15~25%程度。肋骨は見た目ではわからず、さわると確認できます。腰には適度なくびれがあり、腹部の脂肪は薄くつかめます。
体重過剩
体脂肪は25%以上。厚い脂肪で体が覆われていて、肋骨はさわってもわかりづらい状態。くびれもほとんどなく、まったくくびれがなければ完全に肥満です。
水分をしっかりとろう
水はいつでも飲めるようにして
犬の体の60%は水でできていて、生きていくうえで不可欠。体の水分量が10%以上失われると、命に関わります。
また、水分が不足するとオシッコが出にくくなったり、体に異変が起きたりと、さまざまな障害が生じます。水はいくら飲んでも問題ないので、つねに新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。
自力で飲めなくなったら、飲ませてあげます。特に夏場は脱水に注意し、散歩中も水分補給を心がけてください。
水分が不足すると脱水症状が起こり……
- 皮膚の乾燥
- 血流が悪化
- 心拍数が上昇
- 体温が上昇
などが起きてしまいます。
一日に必要な水分量
体重〇kg×50~70ml=1日の必要な水分量ml
一日に必要な量をペットボトルなどに入れておき、そこからその都度あたえれば、飲んだ量が把握できます!
水を飲ませるポイント
飲まない時はごはんに混ぜたり、ミルクを入れたりする
水分をあまりとらない犬は、飼い主さんが意識的に飲ませる必要があります。食事に混ぜるのが、簡単な方法。
自力で飲めない犬にも、この方法で水分を与えられます。また、水にミルクを加えたり、肉のゆで汁を加えて、味をつければ好んで飲むこともあります。冷たい水よりもぬるま湯を好む場合が多いので、試してみるとよいでしょう。
いつでも飲めるように水の置き場所にも配慮を
シニアになると水が置いてあるところまで行くのがおっくうで、飲まなくなってしまうケースもあるので、ふだんよく犬が休んでいる場所のそばに置いてあげましょう。
食事と同じように、台に置いてあげると飲みやすくなります。すぐに蹴飛ばしてしまうという子には、たおしづらい重量感のあるお皿に入れるなどの工夫をしましょう。また、食事の際も水をたっぷり与えましょう。