【幸せ老犬生活】幸せ介護マニュアル4:犬の入浴の介護のコツとは?
【幸せ老犬生活】幸せ介護マニュアル4:犬の入浴の介護のコツ
愛犬はいつも清潔を保ってあげたいものですが、体力のない子や寝たきりの子を入浴させるのは、犬にも飼い主さんにも負担になります。ここでは犬の状態に合わせた、少ない負担で入浴させる方法を紹介します。
愛犬を幸せにするポイント
- 入浴はシニア犬にとってかなり体力を使うこと。とにかく体に負担をかけないよう、手早く済ませる
- 犬の体を清潔に保つことは犬の健康を守るためにも、いっしょに暮らす家族のためにも大切
体に負担が掛からないケアを
犬が高齢になると新陳代謝が悪くなったり、自分で体をなめて手入れする力も衰えてくるため、体が汚れやすくなります。
老犬ほど手入れをしっかりして体を清潔に保ってあげたいものですが、入浴は想像以上に体力を使うため、犬にとって負担にならないようエ夫する必要があります。
老犬を入浴させるときは、天気がよく乾きやすい日を選び、犬の体調をチェックしましょう。入浴はできれば二人以上で手早く行なうことが大切です。
また、入浴後は暖かい部屋でゆっくり休ませ、その日は散歩の距離や時間を控えめにしましょう。
体力がないなど入浴が難しい場合は、無理をさせないこと。ペットシーツをしき、汚れた部分を水で洗い流したり、蒸しタオルや水のいらないシャンプーで全身を拭くだけでも、十分に奇麗になります。
こんな入浴法はNG!
熱いお湯をかける
皮膚疾患がある場合、熱いお湯で血行がよくなると、皮膚にかゆみが出ることも。25~30°Cがベストです。
蒸気が充満する
呼吸器疾患や心臓疾患の場合、水温が高かったりして、浴室に蒸気が立ちこめるとむせることもあるので注意。
床が滑る
浴室の床や洗面台の上は滑りやすく、足元が踏ん張れないため、余分な体力を使ったり、転倒してしまうことも。
体を濡れたままにする
入浴や乾かすのに時間が掛かって長時間濡れたままにすると、急激に体が冷えて、風邪をひいてしまうので注意!
負担をかけずシニア犬を入浴させるポイント
高齢になると、入浴自体が体の負担になることがあります。シニア犬に負担をかけない入浴のポイントを知っておきましょう。
泡切れのいいシャンプーを選ぶ
シニア犬の入浴で大切なのは、とにかく手早く済ませて体力を消耗させないこと。そのためには、すすぎに時間のかからない、泡切れのいいシャンプーを選びます。
水温は低めに25~30°Cぐらい
お湯の温度は25~30°Cを目安に、ちょっとぬるいかなと思うぐらいでOK。水温が高いと蒸気が立ってむせる、皮膚にかゆみが出る、皮脂が落ちすぎるなどのダメージがあります。
シャワーは使わず汲み置き洗い
お湯をざっと掛ける方が手早く流せてシャワーよりも湯気が立ちにくいため、汲み置き洗いがベスト。シャワーを使う場合は、ヘッドを犬の体に密着させて使いましょう。
床が滑らないようマットなどを敷く
足元が滑って踏ん張れないと、足に負担がかかるうえ、入浴を嫌がる原因にもなります。浴室で洗う場合は床にバスマットを敷き、洗面台で洗う場合も滑り止めのマットを敷きましょう。
必要なものは先に準備しておく
シャンプー、リンス、タオル、ドライヤー、ブラシなど、入浴に必要なものは先に用意すること。また、湯船にぬるま湯をためておく、シャンプーを泡立てておくなどの準備もしておきましょう。
入浴後は吸水性の高いタオルで拭く
入浴だけでなく乾燥も手早く済ませて、風邪をひかせないようにしたいもの。ペット用や水泳用などの吸水性の高いタオルを使用すれば、短時間でしっかりタオルドライができます。
風呂場で長時間立っていられない時は部分浴
足腰が弱ってくると、浴室や洗面台に立たせての入浴は難しくなります。そうなったら、おしりなどの特に汚れやすい部分だけを洗うとよいでしょう。
方法は、たらいやベビーバスにお湯を張り、その中で座らせておしりを洗います。必要であれば、シャンプーを使いましょう。ほかに汚れが気になるところがあれば、その場所を汲み置き洗いするなどして、手早く短時間で行なうことが大切です。
ペットシーツを敷いて水で洗い流す方法も
浴室や洗面台に連れて行かなくても、床にペットシーツをしいて、汚れた部分を水で洗い流すだけでもきれいになります。落ちにくい汚れは手でこすりましょう。このとき水圧を利用して汚れを落とす、ノズル式容器などがあると便利です。
犬の体のサイズに合わせて、小型犬なら洗面器、大型犬ならたらいやベビーバスなどを用意し、お湯を張って汚れた部分を洗います。
寝たきりの場合の部分浴のさせ方
寝たきりの犬を入浴させるときは、浴室にすのこなどを置き、寝かせたまま汚れているところを部分浴します。すのこの頭側の下には、10cm程度の高さがある角材などを敷いて傾斜をつけます。
こうすることで、水を掛けた時に汚れた水が流れ落ちるのです。しかしこの方法でも寝たきりの犬には負担なので、体調がよい日を見きわめて行ないましょう。
風呂場での入浴ができない時には
年をとると体力が落ちるため、頻繁に入浴させるのが困難です。寝たきりになれば入浴自体が犬の負担になるので、全身をこまめにふいて清潔を保ちましょう。
その際、温かいタオルを使用すれば、血行も促進されるのでおすすめ。濡らしたタオルを電子レンジで温めると簡単です。
汚れやすいおしりや陰部のまわりは、特に丁寧に拭きましょう。拭いても汚れが落ちなければ、ペットシーツを敷き、水で洗い流します。短頭種の場合は、顔のシワの間も汚れが溜まりやすいので良く拭きましょう。
温湿布も同時に行なう
ハーブの温湿布は血行を促進し、関節の痛みを和らげる効果があります。この温湿布後に、ハーブティーをしみこませたタオルで体をふいてあげれば一石二鳥。炎症効果や消臭効果があるハーブを使用するのもおすすめです。
水なしシャンプーを使う
特に汚れが気になるときは、洗い流す必要のない水なしシャンプーを使用しても良いでしょう。ただし、皮膚刺激が少ないものを選ぶのがポイント。迷ったら、獣医師に相談しましょう。普通のシャンプーをごく薄めて使用し拭き取ってもOK。
床ずれの部分は毎日水で洗おう
汚れやすいおしりや陰部のまわりに加えて、よく洗う必要があるのが、床ずれができている部分です。ペットシーツを下にしき、ノズル式容器などの水圧を利用して水でよく洗い流しましょう。
毎日よく洗い、清潔にすることが悪化を防ぎます。その際使用する水は水道水でもかまいませんが、気になる場合は精製水や煮沸した水を使用してください。