【幸せ老犬生活】幸せ介護マニュアル3:老犬の排泄介護のポイント

老犬 排泄

【幸せ老犬生活】幸せ介護マニュアル3:老犬の排泄介護のポイント

食べたら出すという当たり前の排せつ機能も、老化にしたがって衰え、一人で出来なくなります。慣れるまでは難しいかもしれませんが、コツをつかみ、犬にも飼い主さんにも負担にならない方法でサポートをしましょう。

愛犬を幸せにするポイント

  • オシッコを立って出したい、ウンチをしゃがんでしたいなど、いつものやり方をできるだけ尊重する
  • ことばで訴えられないからこそ、オシッコやウンチが出づらい、残ってしまう状態に気付いてあげる

失敗してもしからずケアを

年をとって排せつがスムーズにいかなくなるのには、いくつかの原因が考えられます。

オシッコの場合は以下の3つがが考えられます。

  • 膀胱の中のオシッコが出しきれずに頻尿になる
  • 脳の排尿命令がうまく伝わらない
  • トイレまでの移動が間に合わない

ウンチの場合は腸の働きが弱まることで、便秘になることもあります。

排せつがスムーズにいかず、老廃物が体にたまってしまうと、病気のリスクが高まります。毎日きちんと排せつが出来ているかを確認することが必要で、自力でできなければサポートしてあげましょう。

もし老犬がおもらしをしてしまっても、決してしからないでください。しかられれば、犬が排せつを我慢するようになる可能性もあります。優しく様子を見守り、排せつしやすい工夫をしてあげましょう。

オシッコをためておかない

年をとると、膀胱の機能が衰えてオシッコを出しきれず、頻尿になるケースが多く見られます。膀胱のオシッコを出しきれないと、底に老廃物がたまって、細菌が繁殖してしまいます。一日に1回は圧迫排尿(後記)をしてオシッコを出しきりましょう。

排せつのポーズがとれないとき

足腰が弱ってくると、しゃがんだり足を上げたりして排せつのポーズをとることが難しくなり、排せつ中にふらついたり、転んでしまうこともあります。また、排せつ時に関節が痛いなどの理由から我慢してしまうこともあります。

そうなってしまったら、できるだけ今までと同じポーズで排せつできるようサポートしましょう。

ウンチの場合

片手でおしりを支えて、片手で汚れないようにシッポを上げ、中腰の姿勢をとらせます。

オシッコの場合

脚のつけ根あたりを左右から両手で支えて、中腰の姿勢をとらせます。

<オスは足を上げさせてもOK>

オスで足を上げたほうが排せつしやすいのなら、足を持ち上げてあげると体も汚れにくくなります。

犬がいちばん排せつしやすい、慣れているポーズがとれるように、サポートしてあげましょう。

ウンチがつきにくいよう肛門まわりの手入れをする

肛門のまわりはウンチがつきやすく、手入れがしにくい場所なので、肛門まわりの毛はカットしましょう。そのとき、はさみを使うと体を傷つけてしまう恐れがあるため、犬用の電動バリカンを使用します。

おもらしをしてしまう時はオムツをつける

膀胱にたまっているオシッコを出しきれずに頻尿になる、脳の排尿命令がうまく伝わらない、トイレまでの移動が間に合わないなどの理由で、おもらしをしてしまうこともあります。

特に留守番時など、長時間目を離すときは、オムツをすると部屋が汚れずにすみます。オムツが汚れたらそのつどとりかえて、清潔に保ちましょう。

メスの場合

テープ部分が背中にくるようにオムツをあてて、穴にシッポを通します。

おなかの部分がぴったりするように、背中の上でテープをとめます。このとき、おしりには少しゆとりがあるくらいがベスト。

オスの場合

三つ折りにしたペットシーツに人間用の尿もれパッド(ヒダはカットしておく)をおしっこの部分に当たるようにのせます。
腰回りにぐるりと巻き、背中の上でガムテープなどでとめます。それからメスと同様にオムツをします。

ポイントはオムツやペットシーツの中に人間用の尿もれパッドを敷いておくと漏れることがないので安心です。尿もれパッドは周囲のヒダなどをきれいに切って使います。

人間用オムツを犬用にアレンジ

犬用オムツも市販されていますが、人間用を使うとお得です。小・中型犬は赤ちゃん用、大型犬は大人用オムツに、シッポの穴を空けて使います。

オムツを半分に折り、犬の背中側にくるテープ部分の数cm下に、はさみでシッポ用の穴をあけます。はじめはオムツを犬にあてながら、穴の位置を調整しましょう。

折った部分に三角形にハサミを入れ、四角い穴をつくり、切断面(四辺すべて)をサージカルテープでとめます。

オシッコやウンチを自力で出せない時は強制排せつ

自力で排尿していても頻繁にオシッコをしていたり、オムツをしていてもあまり出ていないときなどは、一日1回ほど圧迫排尿をして出しきってあげるとよいでしょう。また、年をとると腸の動きも弱まるため、便秘気味だなと感じたら強制排便をしましょう。

強制排せつには圧迫する場所などのコツがあるので、獣医師の指導を受けてから行ないましょう。

ウンチの場合

ペットシーツを敷き、雑菌がつかないように、ゴム手袋などをしてから片手でシッポを持ち上げ、片手で肛門の少し下あたりを刺激して、排便を促します。なかなか出てこない場合は、ウンチを皮膚越しにつかんで押し出しましょう。

オシッコの場合

オシッコがたまると、下腹部が硬く張ってきます。ペットシーツをしき、片手で張っている下腹部を押さえ、もういっぽうの手で膀胱を押して、オシッコをすべて出しきります。

膀胱が空のときの、下腹部の状態を把握しておくと、張っているときとの違いがわかります。

排せつ後は水で洗い流す

排せつ後は、おしりや陰部のまわりを清潔にしてあげたいですが、ウェットティッシュなど消毒用アルコールを含むものを使うと、アルコールかぶれしてしまうこともあります。

排せつ後は、ペットシーツを下にしき、流水で洗い流してあげるのがベスト。ノズル付きの容器など、水圧をかけられるものを使うのがおすすめです。