【幸せ老犬生活】幸せ介護マニュアル1:老犬の歩行の介護はこうすべき!
老犬の歩行の介護
老犬が自力で歩けなくなると、日常生活のさまざまな場面で支障が出てきます。
歩行のサポートが介護の始まりというケースも多いかもしれません。散歩や移動のときの介護方法を身につけましょう。
老犬を幸せにするポイント!
- サポートしながらでも自分で歩かせることによって運動になり、血流がよくなったり、筋力を維持できたりする
- 歩行が困難でも、散歩に出かけて外の空気にふれさせることによって、気分転換させたり、刺激を与えられる
自力で歩けるようにサポート
動物が生きていくうえで、歩くことはとても重要なこと。しかし、関節疾患や病気といった直接的な原因がなくても、年を重ねれば足腰が衰えていくのは避けることができません。
歩行の介護の基本は、安全を確保しつつ、可能な限り自力で歩かせることです。
例えば後ろ足が弱くなっても、前足が動くのであれば後ろ足を歩行補助ハーネスでサポートし、後ろ足に全体重をかけるのではなく、四本足を地面に着けて自力で歩いている気になれる程度のサポートをします。
こうすることで血流が促され関節や腱のこわばりも予防できるので、リハビリ効果もあるのです。
歩くのが難しくなっても、カートなどに乗せて散歩には連れて行きましょう。外の空気にふれ、太陽の光を浴びることは大切です。
歩行機能の衰え度を把握しよう
- 足をすって歩いたり、少しの段差につまずく
- 歩行時にふらついたり、方向転換できなくなる
- 自力で立ち上がれなくなる
- 後ろ足が踏ん張れず、自力で歩けなくなる
- すべての足が衰え、寝たきりになる
足を引きずっている時は靴下を履かせて擦り傷防止
足を引きずって歩いているときは、足に擦り傷を負わせないように靴下でカバーしましょう。
犬用の靴下も販売されていますが、足のサイズに合わせて赤ちゃんの靴下や、軍手の指の部分を切ったものを活用してもかまいません。靴下は寝たきりの子の冷え防止や足に腫瘍がある場合にも使えます。
布でできた椅子の足カバーもふっとします
ただし、歩くとき滑りやすいので、滑り止めつきを選ぶなどの工夫をしましょう。
靴下の履かせ方と注意
犬を寝かせ、爪にひっかからないように気をつけて、靴下をはかせます。
ひっかけやすい親指は、確実に靴下の中に入れましょう。
脱げてしまうようであれば、靴下をサージカルテープなどで巻いて固定しましょう。
長時間の散歩が困難な時はハーネス
足元がふらついて長時間の散歩が難しくなっても、土や芝生などのやわらかいところで10~15分程度歩かせましょう。
その時は胴体をしっかりと支えるハーネスを使用し、リードを斜め前に引くようにして体を支えます。
こんな方法も!
体を支えるまでは必要はなくても、ときどきふらつくようになってきたら、リードを今までより短めに持ちます。そうすれば、転倒しそうになったときに支えてあげられます。
公立ち上がれない時は手でサポート
立てれば歩けても、自力で立ち上がるための動作ができない場合は、手でサポートしてあげましょう。
股関節の上、肋骨の下のくぼみに手をあてて、斜め前に持ち上げます。または片手で胸を支え、もう片方の手でおしりを支えて立ち上がらせる方法もあります。
立ち上がらせるときには「立とうね」と声をかけてから立たせるようにしましょう。
こんな方法も!
歩行補助ハーネスを使う場合も同様に後ろ足が踏ん張れなくなり、歩行補助ハーネスを使う場合も、立ち上がるときのサポートの要領は同じです。
片手で歩行補助ハーネスの持ち手を持ち、もういっぽうの手で胸を支え、斜め前に引き上げて立ち上がらせましょう。
タオルを使った歩行補助ハーネスの作り方
犬の背中にタオルをあてて股関節の幅をはかり、親指で股関節の位置を押さえておきます。
親指の位置にはさみで切りこみを入れ、犬の後ろ足が根元まで入る大きさの穴ができるようにします。
犬の後ろ足を通して穴のサイズを確認。タオルの両端をおしりの上で持ち、下半身を支えるのに使います。
※長距離の使用には向いていないので室内向けと考えておきましょう。
後ろ足が踏ん張れない時は歩行補助ハーネスで支える
後ろ足が踏ん張れなくなると歩くのが困難になりますが、土や芝生などのやわらかいところや家の中で、歩かせる時間を少しでもつくりましょう。
そのとき、後ろ足を支えるための歩行補助ハーネスを使用し、斜め前に引いて下半身を支えます。支え方のコツは四本足を地面に着け、犬が自分で歩いている気になれる程度のサポートにとどめること。
既製品のハーネスのサイズが合わないときは、タオルをはさんで調整します。
こんな方法も!
前足が動くのであれば、後ろ足に装着する車いすを使用すれば歩行できます。
ただし体型やサイズに合わせてオーダーメイドする必要があるので、それなりのコストはかかります。
歩けない時は抱っこで移動させる
犬がまったく歩けなくなったら、基本的に移動は抱っこをする必要があります。特に中・大型犬の場合、抱っこは飼い主さんの腰などにも負担がかかるため、正しい抱き上げ方を知っておきましょう。
抱き上げ方のコツは、体全体の力を使うこと。長距離をひとりで移動させる場合は、市販の抱っこヒモやカートを利用します。
抱っこの仕方
- 片手を前足の間に入れて胸を支え、片手を腰の下に入れます。
- 犬の体を引き寄せ、片ひざを立てて、犬をももの上に乗せます。
- 犬をぐっと胸につけ、片ひざを立てて立ちます。
- 立てたひざを支点にして、足の力を使って立ち上がります。
こんな方法でもチャレンジ!
中・大型犬の場合
前足側の手は、前足のわきの下を持って抱えます。
小型犬の場合
小型犬は、体の下に手を回して抱きかかえればOK!
犬の歩行の介護まとめ
犬の歩行の介護は、犬が自力で歩けなくなるとさまざまな問題が生じることがあります。
散歩や移動の介護方法を学び、愛犬の幸せを追求しましょう。自力で歩けるようにサポートし、運動や血流促進、筋力維持につなげましょう。
また、散歩に出かけて外の空気や刺激を与えることも重要です。歩行介護の基本は安全を確保しながら自力で歩かせることです。